i-Constructionの目指すもの
i-Constructionとは
国土交通省では、「ICTの全面的な活用(ICT土工)」等の施策を建設現場に導入することによって、建設生産システム全体の生産性向上を図り、もって魅力ある建設現場を目指す取組であるi-Construction(アイ・コンストラクション)を進めています。
- ◇目的
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- 1人1人の生産性を向上させ、企業の経営環境を改善
- 建設現場に携わる人の賃金水準の向上を図るなど、魅力ある建設現場へ
- 建設現場での死亡災害をゼロに
旧3K『きつい、危険、汚い』
新3K『給与、休暇、希望』
ICTって…?
身近な例でいうと…
LINE・Facebook・Twitter・InstagramなどのSNSなど
建設工事のICTって…?
建設工事の調査、設計、施工、監督、検査、維持管理という生産工程において、GPS、無線LAN、インターネット、PHS、パソコンなどの情報通信技術を使って各工程から得られる電子情報を活用して高効率・高精度の施工を行い、そして施工工程で得られた電子情報を他の工程に使うことで、生産工程全体の生産性の向上や品質の確保等を図るシステムです。
ICT技術紹介
- ドローン等による3次元測量
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ドローンによる空撮測量
レーザースキャナー測量
建設現場の測量は、これまでは、光波測距儀やレベルなどを使った測量が主でした。しかし、近年では、3次元測量で測量データを取得し施工に役立てる、3次元測量が導入され始めました。これまでの測量では、2次元としての単点測量でしたが、面的な3次元として の点群座標が取得できる計測技術です。
- 3次元測量データ
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ドローン等により計測したデータから、人工物や木等を除去し、現況を高密度な3次元データにする。
処理前
処理後
- 3次元データによる設計・施工計画
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3次元データ(設計データと測量データ)から、施工量を自動算出。
- ICT建機による施工
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建設機械に3次元データを取り込み機械操作ガイド(MG)、機械自動制御(MC)を行う。
点・線の管理ではなく面的な管理ができる。
丁張、補助員が不要のため測量業務の軽減、安全性の向上となる。
- 検査の省力化
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効率的・効果的検査の実施。
設計データ計測データに基づき、現場全体の出来形を面管理で検査。施工後の計測データ
出来形資料(ヒートマップ)
- 現場情報を視覚化
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現場情報を視覚化することにより、施工における事前のシミュレーションや、関係者間で共通の認識がもてるため、ミスの軽減や安全対策など的確かつ迅速な調整につながります。
鉄筋干渉
用地確認
仮設計画
完成イメージモデル
第23回 国土技術開発賞 創意開発技術賞 受賞工事概要
北海道開発局 i-Con奨励賞2020 受賞工事概要
工事名 | 須築漁港外西防波堤改良工事 |
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発注者 | 北海道開発局 函館開発建設部 江差港湾事務所 |
工期 | 令和元年6月27日~11月20日 |
工事内容 | 40t・50t六脚ブロック作成・据付 須築漁港西防波堤において、消波ブロックが沈下した箇所に新たな消波ブロックを据え付け、元の形状へ修復する工事を行った。 |
須築漁港現場で実施したICTを活用した消波ブロック据付手順
- 沈下の状態を把握する為、施工前の形状を計測する
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UAV(ドローン)を用いて空中写真測量を行い、施工前の3次元点群データを取得する。
ドローンによる空撮測量
- 3次元測量で取得した点群データを生成・処理する。
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3次元点群データの生成・処理
3次元点群データ
- 点群データの欠損をモデルで補完する。
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UAV測量では計測しきれない部分には3次元消波ブロックモデルをはめ込み、データを補完し、精度を高める。
3次元消波ブロックモデルをはめ込んだ点群データ
- ③で作成したモデルをはめ込んだデータに今回の工事で新たに設置する消波ブロックのモデルをはめ込み、据え付けのシミュレーションを行う。
- シミュレーション完了
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緑:据え付け可能な40t消波モデル
赤:据え付け可能な50t消波モデル
- シミュレーション結果を重機オペレーターと情報共有し、
作業の効率化を図る -
オペレーターとの情報共有
- データを活用し、施工
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施工の様子